医学・医療の正しい知識を発信する拠点、
「東京大学・健康と医学の博物館」

東京大学医学部・医学部附属病院
健康と医学の博物館
担当助教
北出 篤史 さん

外観

 

工夫された展示で面白く見ることができる企画展

 

2011年1月20日に東京大学医学部・医学部附属病院に創設された「健康と医学の博物館」。内容のユニークさと東大病院の真向かいという便利さもあって、とみに来館者が増えています。北出篤史さんにお話を伺いました。
—東大医学部・医学部附属病院の創立150周年記念事業として作られたそうですね。
北出さん 東京大学医学部・医学部附属病院のルーツは、安政5年(1858年)に設立された「神田お玉ヶ池種痘所」です。医学部・医学部附属病院が2008年に創立150周年を迎えた際、記念事業の一つとして「健康と医学の博物館」を創設しました。本博物館の目的は「社会に開かれた医学・医療の展開」であり、平たく言うと、一般の方により医学・医療について馴染みを持っていただければと考えています。
—展示室の構成を教えてください。
北出さん 入口を右手に進むと、常設展示室があります。日本の医学の発展の中で興味深い内容を、トピック形式で展示しています。その最後には、現在の東大医学部・医学部附属病院の研究室紹介コーナーを設け、現在の研究などを紹介しています。
企画展では一般の方が関心を持たれているテーマを掘り下げ、その基礎的な内容から代表的な病気・医療、そして東大の最新の知見を概説しています。現在開催中の企画展「縁の下で身体を支える腎臓」(6月30日まで会期延長)で11回目になります。各企画展毎に約1万人の来館があります。
—展示内容・方法になにか特徴がありますか。
北出さん 展示は、医学部と医学部附属病院の先生方によって監修されています。展示はパネル中心の文章が多いものになりがちですが、“見て・触れて・体感する”ということにも注力し、より理解を深めていただけるよう留意しています。また、アンケートに回答いただいた方には、ご希望された企画展の図録を無償でお渡ししています。

入口脇にあるレンガ造りの壁(左は新しいもの、右は古いもの)

 

常設展では日本の近代医学の歩みを概観

 

—どのような方が来場されていますか?
北出さん 時期によってバラバラで、平日と土日ではいらっしゃるお客様も異なります。最近は、中高生や専門学校生の来館も多く、じっくり展示をご覧になる学生さんも多いです。また、土日はウォーキングラリーなどのツアーの一環でいらっしゃる方も多いですね。目の前にある東大病院を受診された患者さんが立ち寄られ、展示を見て知識を深めることで自分の病気と正しく向き合えるようになるということもあるのではないでしょうか。
—企画展のテーマは、どのように設定されていますか?
北出さん 当初は一般的な方が興味を持つであろうと思われるテーマを選んでいましたが、昨今は来場者アンケートなども参考にしながら、決めています。アンケートを見ると、がん、認知症、ロコモティブシンドロームなどに関心が集まっているのがよく分かります。
ただ、我々としては、医学の分野を幅広く扱いたいと考えており、テーマ設定はいつも頭を悩ますところです。過去には、法医学という基礎医学の分野も紹介しました。法医学といえば、テレビドラマで扱われているイメージがありますが、ドラマでも紹介されないような内容を紹介し、来場者には関心を持ってもらえたようです。
—最後に一言。
北出さん 医学も多種多様な分野があり、説明が難しい内容も多いですが、今後も幅広いテーマを一般の方に紹介できるようにしていきたいと考えております。
当博物館は、竜岡門から入ったバス通り沿いにあり、春の季節は桜もきれいな場所ですね。
 
■企画展名(第1回〜第10回)
・感染症への挑戦 ・血管のひみつ ・見えないがんをみる ・わたしたちの脳 ・立つ・歩く ・医学部の155年 ・糖尿病の真実 ・こどもの発達と成長 ・法医学 ・大腸のふしぎ ・ウイルスの世界
 
東京大学医学部・医学部附属病院
健康と医学の博物館
〒113-0033 本郷7-3-1
医学部総合中央館地下1階
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